目の前に家のリフォーム工事を手掛けていた工務店が、向こう三軒両隣の掃除を毎日やってたことに感心し、家づくりをお願いしたというNさん。高山さんの物件見学を何件かはしたものの、他社との比較検討しなかったといいます。
「これだと決めたら他は見ないタイプなんです」そう話すNさんですが、隣の現場に来るたびに高齢の母を気遣ってくれたことも、決め手となったようでした。
「漆喰と無垢の木の家」にしたかったというNさんは、家族構成や趣味・ライフスタイルなどを「住まいメモ」に書いて渡したといいます。「とはいえ、具体的にはあまり要望は出していないんです」とNさん。ファーストプランから薪ストーブが入ったくらいであまり変わっていないそうで、「素人考えを専門知識でまとめあげてくれ、いろいろ気軽に言えるとこがよかった」とNさんは当時を振り返ります。
「この暑さでもエアコンは入れてないんです」とNさん。セルロースファイバーによるたしかな断熱と風が気持ちよく抜ける設計により、猛暑日続きの昨今の夏でも心地よく過ごすことができるとか。「梅雨どきでも床のベタベタした感じがまったくなかった」と奥様も。床でごろごろしてる肌触りが気持ちよく、ほどよく柔らかな無垢の床がとても気に入っている様子。
木の収縮があるが、木が呼吸をしている感じがしていいんです。隙間が気になったりする人は愉しくないかも(笑)しれませんが、私たちはとても気に入っています。」そう話すNさんの家には、吉野の坂口製材所の材が使われています。とがの梁はご自身で選ばれたそうで、「自分の家に使われる材を建てる前に見られて選べるのは贅沢」といいます。
1年過ごし、家のこともよくわかって、愛着が深まったとこの1年を振り返ったNさん。「これから、デッキや庭に少しづつ手を入れていきたい。家は完成させたらダメだと思うんです」そう話すNさんから最後に「生きている家に住んでるということをわかって暮らすと愉しいですね」と、木の家暮らしの作法を教えていただきました。